取次事業のリスクヘッジ

FCR(Forwarder’s Cargo Receipt)の活用

FCRとは?

  • フォワーダー(利用運送/取次業者)が 「貨物を確かに受け取りました」 と証明する書類
  • 国内の「受領書」と似ているが、国際輸送に接続する国内輸送や作業にも対応

使う場面(用途)

  • 工場や倉庫からの集荷
  • CY/CFS(港湾ヤードや倉庫)への搬入・引き取り
  • 通関や倉庫保管、荷役作業を伴う場合
  • 国内配送から国際輸送に接続するケース

利用方法

  • 荷主やベンダーから貨物を受け取った時に発行
  • 裏面に「標準取引条件(約款)」が記載されており、契約書の代わりになる
  • 見積書に「本見積書に定めのない条件は標準取引条件による」と記載して使える

メリット

  1. 契約書の代わりになる(国内輸送・保管など)
  2. 貨物受領と状態の証明になる
  3. 責任範囲を明確化できる(荷主・フォワーダー・下請の間)
    👉 トラブル時に重要な証拠になる

リスクヘッジ(リスク対策)

  • 個別の契約を結ばなくても、標準取引条件でカバーできる
  • 賠償範囲や上限を明確にできる
  • 賠償保険(貨物保険・運送賠償保険)とセットで利用可能

関係者ごとのメリット

  • 荷主:窓口が一本化 → 損害賠償請求がスムーズ
  • フォワーダー(元請):下請の責任範囲を明確化 → 海外顧客や代理店に説明しやすい
  • 下請運送会社:責任範囲を限定できる → 青天井の賠償を防げる、作業完了書として使える

注意点

  • 梱包不備などは保険でカバーされない場合あり
  • 利用前に標準取引条件を必ず確認
  • 利用は自己責任、法令遵守が前提

まとめ
FCRは、

  • 「貨物受領書」+「契約条件」+「責任範囲の証明」 を兼ね備えた便利な書類。
  • 荷主・フォワーダー・下請け、三者それぞれにメリットがあり、リスク管理や保険活用に役立つ。

※FCRは、NPO法人のNVOCC倶楽部のホームページにて、会員以外の方々でも無料でご利用いただけます。

詳細はホームページにてご確認ください。

外向利用運送事業者倶楽部(NVOCC CLUB)

外部リンク : 外航利用運送事業者倶楽部(NVOCC CLUB)