国内取引信用保険の三者図イメージ
【納税者 / 荷主】
│ 売掛金の支払い義務
│(取引先が倒産すると未払いリスク)
▼
【通関会社 / フォワーダー】
│ 売掛金回収(与信管理)
│ 保険加入により倒産リスクをカバー
│ 関税・消費税の荷主よりの未納分も含む
▼
【税関】
│ 関税・消費税の受領
│ 通関会社がリアルタイムボンド包括振替で納付した場合は後日精算
図解のポイント
- 納税者(荷主)
- 支払い義務を持つ側
- 倒産すると売掛金未回収リスクが発生
- 通関会社 / フォワーダー
- 荷主からの売掛金を回収
- 必要に応じて関税・消費税を納付
- 国内取引信用保険で未回収リスクを補償
- 税関
- 関税・消費税を受け取る
- 通関会社がリアルタイムボンド包括振替で納付している場合は、後日清算される
簡単フロー
- 荷主(納税者)が通関会社に支払い義務
- 通関会社は荷主からの売掛金を回収
- 売掛金回収が困難な場合、国内取引信用保険で補償
- 関税・消費税は通関会社が申告納付 → 税関に納付
- 保険により立替リスクもカバーされ、通関会社のキャッシュフローを安定化
保険の概要
- 目的:取引先(債務者)が倒産や支払い不能になり、売掛金が回収できなくなった場合に、損害の一部を保険金でカバー。
- 対象:売掛債権(例:フォワーダー・通関会社が取引荷主に対して持つ売掛金)。
加入メリット
① 与信管理の強化
- 保険会社からの情報提供を利用でき、取引先の信用調査や管理の手間・コストを削減。
② 資金繰りの安定化
- 売掛金が回収できなくても保険金で補償されるため、キャッシュフローが安定。
③ 貸倒損失の平準化
- 保険料は損金計上できるため、毎期のコストをならす効果がある。
- 突発的な貸倒リスクを吸収し、経営の安定につながる。
保険金が支払われるケース
- 保険期間中の取引で、以下の事由により回収不能になった場合:
- 取引先が「倒産等」に該当(破産・民事再生・会社更生・特別清算などの開始)。
- 手形交換所や金融機関で取引停止。
- 財産の強制換価・差押えが発生。
- 支払期日から3か月経過しても支払いがなく、保険会社が「回収見込みなし」と判断。
保険金が支払われないケース
- 契約者や被保険者の 故意・重大過失・法令違反 による損害。
- 戦争・暴動・内乱 などによる社会的混乱。
- 自然災害(地震・津波・台風等) による社会的混乱。
保険対象となる売掛債権
- 請負契約
- 委任契約
- 運送契約
- 役務契約
- 寄託契約 など
まとめ
- 国内取引信用保険は、取引先の倒産リスクから売掛金を守る仕組み。
- 導入により
- 与信管理の効率化
- 資金繰りの安定
- 経営リスクの軽減が期待できる。