日常の賠償責任について
「デパートで陳列されている高級なお皿を誤って割ってしまった」この場合、故意でなくとも当然弁償しなければなりません。こうした時のために損害保険各社で販売されている
個人賠償責任保険(※注)にご加入されていると安心です。
現在は単独の商品ではなく、各保険の「特約」として販売されていますが、自動車をお持ちの方は自動車保険の
特約で加入しますと対人賠償と同額(=通常は無制限)の補償となるためより安心です。
第三者にけがを負わせてしまうこともあるかもしれませんので。
※注:重過失、過失が対象となり、故意(わざと)は免責となります。
高級なお皿を割ってしまったのがご自身ではなく、一緒にいた小学生のお子さんでしたらどうなるでしょうか?
通常小学生くらいまでは「責任能力がない」とされていますのでお子さんは賠償責任を負いませんが、一緒にいた親が
「監督責任」を負いますので賠償責任も親が負うこととなります。
では、以下の場合はどうでしょうか?
Aさんは小学生のお子さんと公園で遊んでいたところお子さんのクラスメートBくんがお母さんとやってきました。
Bくんのお母さんが「ちょっとスーパーに買い物に行きたいからBのこと見ていてくれるかな」と言うのでAさんは
「いいわよ」と言ってBくんを預かりました。
しばらく仲良く遊んでいましたが、Bくんが砂場から砂を持ってきてAさんとそのお子さんに投げ、二人の目に
入って眼科に行かなくてはならなくなりました・・・
もちろん道義的にはBくんの親はAさん親子にお詫びし、治療費をお支払いするなどしないといけないのでしょうが、
法律上はAさんがBくんを預かることを同意した時点で監督義務がAさんに移転しているためBくんの親に
賠償義務が発生することはありません。
つまりは前出の個人賠償責任保険(特約)にBくんの親が加入していても保険金は下りません。
保険に入っていれば安心・・・とは言えませんし、安易にお子さんを預かってはいけないということですね。
※2024年3月時点の内容となります