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まだまだ続くであろう火災保険の値上げ

私が社会人になった頃、火災保険の保険金支払要件は「火災・落雷・破裂・爆発・水災・風災・雪災・ひょう災」で、 総合型の火災保険でも「外部からの飛来物」が加わるくらいのものだったと記憶しています。

ですから保険金の請求数は火災が原因のものが一番多かったような気がします。

そしてこの頃はどこの保険会社で入っても保険料は同じでした。

ところで「火災」の定義ってなんでしょうか?「ガスコンロの火」も「いろりの火」も「暖炉の火」も火災ではありませんよね。
あるときアイロンが倒れてしまいじゅうたんにくっきりとアイロンの形のこげ跡がついてしまいました。

保険金請求をしたところ「これは火災に該当しない」として請求は取り下げられてしまいました。保険会社が言う火災とは「火床を離れ、自力で燃え広がる火」のことを言うそうです。

ただ、現在の火災保険ではこのアイロンのこげ跡も保険金請求の対象となる場合があります。「その他偶然な事故=破損、汚損等」が
保険金支払い要件となっているからです。

ここ数年、火災保険の保険料は上がり続けています。そして今年も上がるとの噂です。

損害保険各社のデータを集めている損害保険料率算定機構は2023年6月に参考純率(各社の保険料率の元となる料率)を10,9%上昇
(過去最高)させるとの発表をしており、これを反映した料率改定が2024年後半に行われると考えられています。
これまでは料率改定があったとしてもあまり値上げにならなかったマンションなどの耐火構造や準耐火構造の火災保険も値上げ
になるとも言われています。

この値上げは地球温暖化による広域での大規模災害が一番の原因でしょうが、損害保険各社が「その他偶然な事故」で保険金支払
要件を増やしていったことも少なからず影響をしていると思います。

かつては36年間という長期の契約ができた火災保険も「先が読めない」ということで最長で5年間の長期契約しかできなくなりましたが、1年ずつ契約している方々もまとまったお金があれば料率引き上げ前に5年契約としておいた方がお得かもしれません。

※2024年4月時点の内容となります

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