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医療保険不要論?

令和3年の(公財)生命保険文化センターの調べによると日本人の医療保険(民間生保会社)の世帯加入率は93.6%だそうです。
民間の生命保険の加入率は80%程度ですから、あくまで推計ですが70%以上の方が医療保険に加入していることとなります。

これだけ世に普及している医療保険ですが中には医療保険不要論を唱える生命保険募集人もいます。

彼らの論理の根拠となっているのは健康保険の「高額療養制度」と呼ばれるもので病院窓口での3割負担の他にある制度です。

年収約370万円〜770万円の方ですと

80,100円+(ある月の医療費-267,000)×1%

が適用されるため例えばある月の医療費が(10割負担で)100万円かかったとしても87,430円で済むので毎月保険料を支払うくらいならばプールしておいた方が良いのでは?ということなのでしょう。もっと言うと、独自の健康保険組合があるような企業にお勤めの方ですと月単位の上限額が25,000円などという場合もあり、医療保険はいらないかも?と思っても不思議ではありません。

確かにサラリーマンであれば、この論理も正しいと言えるところもあるかもしれませんが、自営業の方ではどうでしょうか?
サラリーマンの場合は有給休暇制度などがありますから「しばらく入院で休んでいても入ってくるもの(給料)は変わらない」からこそこうしたことが言えるのです。つまり医療保険を「治療費の補てん」と考えられるからなのですが、自営業の方は入院=収入そのものの遮断となる可能性があるわけです。収入という原資がなければ治療費の支払いもままならなくなることもありえます。

また、サラリーマンであっても上記のような「高額療養制度」は(健康)保険治療を前提としているものです。ここ数年メディアでもかなり取り上げられていますが、保険外治療ではあるものの厚生労働省が認めた施設での治療方法である『先進医療』というものがあります。
例えば切らないがんの治療法である粒子線治療は身体に負担をかけず、治癒率が高い・・・とされていますが、唯一難点は「治療費が高額」ということです。一連の治療で300万円ほどかかると言われています。民間の医療保険ではこうした先進医療の治療費が出るものもあります。さらに保険会社によっては施設に行くまでの「交通費」や現地で(施設内のベッドが満床の際の)「宿泊費」が出る場合があります。お医者さんでも「松竹梅」ってありますものね・・・遠くても「松」で受けたいものです。

これでも「医療保険なんて不要」と言えますかね・・・

以 上

※2024年6月時点の内容となります

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